中学口語文法:形容詞、形容動詞
形容詞と形容動詞は、どちらも用言の一種であるとともに、活用もあるのですが、動詞の活用と比較すると単純に理解することができます。形容詞と形容動詞の活用形態には、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形の5種類があり、命令形はありません。動詞の活用と同じ表で活用を暗記する場合、形容詞や形容動詞は命令形がないという点を踏まえながら覚えておきましょう。
種類 |
基本形の例 |
未然形 |
連用形 |
終止形 |
連体形 |
仮定形 |
命令形 |
形容詞 |
美し |
かろ |
かっ、く |
い |
い |
けれ |
○ |
形容動詞 |
静か |
だろ |
だっ、で、に |
だ |
な |
なら |
○ |
○形容詞は、単語の意味としては、主として修飾語になるが、述語にもなることができる単語です。性質や状態を表し、終止形の形が「〜い」で終わるのが特徴です。たとえば、「かわいい」「美しい」などは形容詞です。
○上記の表の例外として、形容詞の後に「存じます」「ございます」が続くとき、形容詞の後ろの部分が変化して「〜う存じます」または「〜うございます」のような形になる(ウ音便)ことにご注意ください。
(例)「美しい」→「美しうございます」
○補助形容詞(形式形容詞)とは、補助動詞と同じように、すぐ前の文節を補助するだけの役目の形容詞のことですので、本来の意味が薄まって補助的な役割で使われる形容詞です。
※「これは正解でない。」という文の「ない」という言葉は、「正解で」を補助する補助形容詞。
・紛らわしい例として、「この本には正解はない。」という文の時は、「ない」という言葉はその場所に正解があるかどうかを表わす、存在するかしないかを示す独立した語として考えられ、一般の形容詞と考えられています。一方、先に挙げた「これは正解でない。」の文の場合は、前の文節の「正解で」に関して肯定か否定かを示すにしかすぎないので、補助的な役目だけを果たしていると考えられています。
○派生形容詞とは、名詞などの他の品詞の単語が形容詞のように変化したものです。
(例)「子ども」という名詞→「子どもっぽい」という派生形容詞
○形容動詞は、基本的に、形容詞と同じ性質、働きをもつ単語として文法上では機能するものの、終止形の形が「〜だ」となる点が特徴です。たとえば、「静かだ」「消極的だ」などは形容動詞です。